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『コップクラフト』
評価:★★★★☆
読み終わった直後の感想は「あんまり大したことなかったな」というものでした。起承転結の形はしっかりしているものの、コンパクトにまとまりすぎていてあっさりと終わりすぎた感じでした。お約束はしっかりと守られていて安定感は抜群ですが、意外性や大掛かりな仕掛けは全くなく、期待しすぎると肩透かしを喰らうでしょう。
しかしここで、あとがきにて「海外刑事ドラマを見ている気分で楽しんで頂けたら」という記述があったことを思い出すと「なるほど」と思わずにはいられませんでした。『刑事ナッシュ・ブリッジス』とかそんな感じです。これが大作映画のシナリオだったら平凡な印象ですが、海外ドラマの第一回だとすればまさにそのもの、といったところです。違うところがあるとすれば、渋くてクールな刑事モノにボーイミーツガール定番のおんなのこ要素と剣と魔法のファンタジー要素が加えられているところでしょうか。根っからの刑事ドラマ好きにはあどけなくらぶらぶしているところが邪魔だと思うかもしれませんが、いまのところラノベとしては甘甘というほどではありません。ファンタジー要素も『スターゲイト』かなにかだと思えば違和感はないと思います。というか『スターゲイト』そのものという感じですね。
『コップクラフト』は続編も刊行される予定があるようで、このノリで続けてくれたらそれなりに面白いだろうなと思います。一方でライターに力があることは分かっているので、たまには大作映画っぽい派手なシナリオもあったらよいな、と期待しています。
最後に、村田蓮爾の絵はすばらしいと思います。
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『六畳間の侵略者!?3』
評価:★★☆☆☆
3巻で意外だったのは、これまで影の薄かったルースさんのフラグがいきなり立ったところです。えろげならこのままルートに突入するだろう、というくらいの急接近っぷりでした。
扱いは大きくありませんでしたが、これまでクールビューティーに徹していたキリハにもフラグが立ちました。キリハに関してはまだ好感度上昇の余地があるので、4巻以降でキリハの当番回が来そうな感じです。
ティア、晴海、早苗については既に攻略条件は満たしており、3巻では派手にやきもち合戦が展開されました。今後もこの3キャラについては好感度が維持されそうですので、この状況も維持されるのでしょう。
逆にフラグが立っていないのが、ころな荘管理人の静香と自称魔法少女のゆりかでしょうか。静香はジョーカー的な存在で、106号室の争いも一歩引いたところで観ているようです。ゆりかは日々の生活に手一杯で常にてんぱっている感じです。フラグを立たせてしまうとキャラが崩れて没個性化しかねないので、この二名のフラグが立つかどうかは微妙なところ、立つとしても後回しになるのではないでしょうか。
今回のシナリオでターニングポイントとなったシーンの一つが、孝太郎が喧嘩別れした早苗追いかける決意を固めたシーンですが、えろげだったらここでルート分岐の選択肢が出ているんだろうなあ、と思わずにはいられませんねw
このシリーズはもはや106号室の争奪戦ではなく、完全に孝太郎争奪戦と化しています。「我らは侵略者だ」と言われても全く説得力がありません。第4巻では「あおきし」の登場、ティア関連の皇室関係者の登場が予告されていますが、それに対抗してキリハが絡んでくるかどうかが見所ではないかなと思っています。
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